2013年4月22日月曜日

おくりびと 映画の中のチェロ


   先日、邦画「おくりびと」をあらためてDVDでみた。以下の文章は、以前みた時に書いた感想である。 

   邦画「おくりびと」をみた。主役の俳優はプロオケのチェロ奏者という設定で出演している。
    今まで、この種の設定で、まともなものは見たことがない。弦楽器にせよピアニストにせよ「演じるにせよもう少しまともにやれよ」と言いたくなるものばかりであった。
    その点、洋画は、こういう場合、何ヶ月かは特訓をするらしく、それなりに見られる物に仕上げてくる。こういう面からも邦画はチャチというイメージをずっと抱いていたのだが、この映画に関しては違った。

    ベートーベンの第九、チェロの有名な旋律が出てくる場面があったが、ボーイング、指使いともそれなりに仕上げている。後半の実際弾いても大変な部分でも、弓の動きはさすがに映さなかったが、ポジションの移動などはほぼ正確に合わせていた。たぶん何ヶ月かは特訓をしたものと思われる。(ただ、主人公が立てかけたチェロを眺めている情景があったが、あれはだめですね。チェロ弾きは決してああいう不安定な楽器の立て方・置き方をしない。)
   内容的には、邦画特有の一本調子のドラマ性の薄い作品で、「佳作」と呼ぶべき作品であったが、外人からは異国の珍しい文化を感じ取れる面があり、アカデミー賞を受賞している。今年の外国作品賞は激戦だったらしいが、冒頭のチェロの弾き方が、インチキくさいものだったら、たぶん受賞を逃したと考えられる。

    邦画は、一般的に人物の描写自体が薄っぺらで、とても見ていて耐えられないのだが、この映画は、音楽の美しさもあり最後まで見ていられるものでした。

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