2014年7月31日木曜日

チェロという楽器 弓毛と弦の角度について

私が、先生について習った時に、弓は図①のように、 弦に直角に当てるように言われた。
弓毛全面を、弦に接触させるようにということである。
原則は◎でと習ったが、実際は○になっている。

ところが、最近、ススキ式の先生に短時間だが習った時には、弦に斜めに当てるように言われた。図②のようにどちらかというと地面に垂直に立てる感じである。

どちらが正しいのであろう。

よくわからないのでネットで検索して見ると、図②の方が多いのだが、図①もないわけではない。
それぞれの解説も引用させてもらったが、どれもこちらの方が音がよいと主張されている。

図 ①
『弓を立てる角度は弦に対して垂直に、毛が弦に全部触れるほうが良い(◎のように)。地面に対して垂直という説もありますが、あまり寝かせないほうが良い。(実際は○のように自然と幾分指盤側に「少しだけ」傾きますが、、、。駒側に倒すことは無 い!!)はじめは、しっかりとした音を出せるように、弦に対して垂直に毛を全部付けて、立てて弾いたほうが良い。寝かせると弦に対する力の伝わり方が斜め になるため、圧力の伝わり方が傾ける分減少しますので、癖にすると将来、均質な音、強い音が出しにくくなります。また、ずっと寝かせた弾き方でガリガリ やっていると、弓のスティック(木の部分)をこすって削れてたり、横方向に曲がって変形してしまったり、など弓を傷めます。寝かせて弾く弾き方は、表現の仕方のひとつと思って、後ほど・・・』

図 ②
『写真からでもお分かりのように、弓は決して弦とピタッと向き合って接触しません。弦が斜めになっているのに対して、弓はほぼ垂直に近い形で接触します。これは重要なことです。弓の毛が弦に対して、ピタッと全部同じ強さ(弱さ)で接触すると、まず音色がザラザラした感じになって悪くなります。そして何より特に低弦において、音の立ち上がり(発音)が悪くなります。チェロはただでさえ大きくてバイオリンの発音の良さに必死で対抗しなければならないので、音の立ち上がりには是非敏感になって欲しいのです。≪図②≫の様に弦に接すると、一番端の毛に一番体重がかかり少しの重さでもしっかりと弦をくわえてくれて、敏感に音の立ち上がりを助けてくれます。そして、重さが増えれば増えるほど、一番端の毛はますます弦をくわえてくれて、ただちに発音してくれます。もちろん、指が弓と接触している部分は他の指と同様、絶対に動いてはダメですよ。』


チェロと師  田中 制 先生

私が、チェロを始めたのは大学の時である。それで、基本的なことは先輩から習った。東京の大学だったので、個人的に先生に習うことも可能だったが、レッスン代を聞いて、とても自分には無理だなとあきらめていた。

その後、先生についてきちんと基本を習いたいなと思ったのは、もう30歳を越えた時であった。ちょうど紹介をしてくれる人がいて、お習いしたのが田中先生である。


橘曙覧像 
もうその当時で60歳前後のお年で、容貌は橘曙覧ふうで、容貌通りの大きな声など一度も出さない、大変穏やかな方でした。あまり冗談を言われる方ではないのだが、一番最初の時だけ、「僕は青木先生に習った」ということと、「東京都交響楽団にいた」という自己紹介をされた後、「東京都響だから、上からよんでも下から読んでも東京都響」と言われたことを覚えている。

この先生から、まず楽器の構え方、弓の持ち方、弦のあて方から、左手の形等等、基本をもう一度、教えていただくことになるのだが、無理のない自然なよい弾き方を教えていただいたと思っている。

時々、取り組む曲を自ら弾いていただいた。あまり大きな音は出されないのだが、芯のとおったしっかりした味わい深い音色とひき方は、自分もあんなにできたらという思いを常に起こさせてくれる演奏だった。

またバッハの無伴奏を教えていただいた時には、数小節のフレーズに、十幾つかの注意点を言われ、演奏の奥深さということも教えていただいた先生である。

もう亡くなられてだいぶたつのだが、楽譜を見ながら、先生がおられたらどう答えてくれるかなと、今でも思う時がある。

不肖の弟子ではあるが、教わったことをこれからも、少しでも大事にしていきたいと思っている。

2014年7月21日月曜日

科学という学問③ 自然科学と社会科学の違い

先に、社会科学は、曖昧な部分が大きいというようなことを書いた。
そのため、社会科学者は、自然科学の手法を取り入れ、学問としての厳密さと客観性を確定しようとする傾向がある。

大学の一般教養の心理学や経済学で、ある種の数式を教えられた経験はだれでもあるだろう。(統計学のことではない)
しかし、その数式には、何の意味もないなと思ったことも覚えている。

社会科学が扱う大半の社会事象は、数式であらわされるような単純な要素だけで成り立っていないし、そこをあえて数式であらわしてしまうと、事象の大切な部分が抜け落ちてしまう。

自然科学者は
 安易に「曖昧」に逃げてはいけない。
 「厳密」に耐えなければいけない。

社会科学者は
 安易に「厳密」を求めてはいけない。
 「曖昧」に耐えなければいけない。  

       と思います。

2014年7月1日火曜日

日本車とドイツ車の違い③ 日本車は使いやすいんだが

ゴルフⅣについて書いていますが、最近は、妻のワゴンRに乗ることが多いです。
正直、使いやすいんですね、軽自動車。

「買い物に行く」
「母親を病院に連れていく」
「近隣の行事を見に行く」
など日常の使い方なら、日本車がいいです。

ドイツ車につきまとう妙な「重さ」は、年を取ると鬱陶しくなります。
昔は「がっしり作ってあんなー」と思っていたんですがね。


ところが、ワゴンRばかり乗っていると、何か物足らなくなります。そしてゴルフ君をひっぱりだして乗ることとなります。ゴルフの落ち着いた走行感は、なかなか日本車では得られないように思います。

日本車とドイツ車は、何か根本的なところで、違うんですね。

何がどう違うかと言われると、ちょっと困ります。
結局、「運転すれば、すぐにわかります」と言うか「運転しないとわかりません」が答えとなってしまいます。

ただ一つ言えるとすれば、欧州の車は、運転していて「おもしろさ」を感じる車が多いという感じはします。