2010年9月22日水曜日

ベートーベン 第九  それは人類の文化遺産

  四年ぶりにHさんの指揮での第九である。四年前にHさんは、「第九は人類の文化遺産である。」という言葉を言っておられた。まさしく自分で実際、弾いてみると、この言葉の意味が身にしみるほどわかる。まさに曲全体が巨大な建造物にも似て、その存在感に圧倒される思いである。アマオケであっても、取り組みがいのある曲なのである。
  そして、この曲に限らず、ベートーベンの曲には、無駄な音符は一つとしてないなあと、弾いていていつも感じる。ベートーベンがどんな人かはいろいろな解釈はあるが、少なくとも音楽に対して真摯で、すごく真剣に向かい合った人だというとは、弾いているとわかる
    反対にチャイコフスキーの曲には、なんでこんなところを繰り返すのか、こんなフレーズは必要なのかなあと感じることが結構ある。才能の無駄遣いという言葉が思い浮かぶ。魅力的なメロディに感心する反面、弾いていて退屈さを感じることも多いのである。
    たぶん、内面はやや不真面目な、怠惰なところがある人で、そういう面は人間誰しもではあるが、問題はそういう面を、自分の作った曲にも見せてしまう、心の弱さというか倫理観の弱さというのかな、そういう人だったのではないかという気がしてならない。
    ベートーベンがもしチャイコフスキーの音楽を聴いたら、その倫理観から激しく拒絶したのではないかと思う。ベートーベンの音楽に対する姿勢が、何世紀も後の人間にも、心地よい一種の緊張感を与えるのであろう。

2010年9月21日火曜日

楽器の不具合

  今の楽器は、もともとネックに持病があり、購入後、3回直してもらったのだが、また具合が悪くなってしまった。1回の修理につき、東京まで2回往復しなくてはならないので、交通費だけでも大変である。さすがに3回目の時には、楽器屋さんも「本当は支障なく使用できないとだめなわけですから」と言われ、修理費は取らなかったが、これで直ったと思っていただけに、がっくりという感じである。幸いなことに今回は高校生の息子が東京まで行く用事がたまたまあったので、新幹線などでの楽器の置き方(例の三列席 最後列の後ですね)や楽器屋さんまでの道筋をストリートビューまで利用して教え、持っていってもらった。本当に根本的に直してくださいよ。気に入っている楽器ですから・・。
  というわけで、秋の演奏会は、急遽、しまってあった昔の楽器を使用しての演奏でした。音程がへろへろだったのは、腕の問題もありますが、こういうわけもあったのです。チェロの他の皆さん、なにやら変な音を出していると思われたでしょうが、許してくださいね。

秋の演奏会 終了

 秋の演奏会、終わりました。今回は一部と二部の構成で、一部はショパンのピアノ協奏曲一番、ピアノは地元の高校2年生の生徒さん。二部は「ジャングル大帝」や「もののけ姫」などポピュラーな感じでした。ピアノ協奏曲は、聞きに来ていた妻によると「若いっていいわねー ぴょんぴょん跳ねているような演奏だったわね」ということ。たぶん褒めているのだとは思いますが、ちょっと微妙な評価でした。いささかオケのほうがもたついたところもあり、その点は気の毒だったかな。

 二部は、一部に比べ軽すぎるような感じで、少しあっけない感じで終了してしまいました。でもアンコールに「新日本紀行」を持ってきたのはどうなのかなあ。高校生の長女に聞くと「全然知らない。聞いたことない。」という答。まあ、年配の人にはよかったのかもしれません。次は、12月で「第九」という、がんばりがいがものすごくある曲です。

 仕事の部署が4月に変わって以来、練習にもほとんど出られなくなっていたのが、なんとか演奏会に出られてよかったと思います。