2010年3月29日月曜日

チェロと指使い ボーイングは統一、左手はバラバラ?

  最初に曲に取り組む時は、まず例のように楽譜を製本し、指使いの解析を行うことになる。これが結構、時間がかかる。特にブラームスは、特有の♯や♭が臨時に付くフレーズが多く、音が取りにくい。まあ、最初、頭の中で指使いを決めて書くのだが、その後、実際弾いていきながら修正していくことになる。 結局、無理な指使いは淘汰され、自分の技量にあった指使いが残ることとなる。
   少し不思議に思っていることに、ボーイングは統一されているのに、指使いは統一されていないということである。これはアマオケだけではないようで、同じフレーズを、バラバラの指使いで弾いていることはプロでも見る風景である。指使いが違うとフレーズのニュアンスも変わるので、これでいいのかなあと思う。
   アマの場合は、技量の違いもあり、安全運転で音程の取りやすいように弾く人と、フレーズの表現を大切にして弾く人がいても不思議ではないし、仕方が無いとも思うが、プロはどうなのだろう。ボーイングは統一して、指使いはバラバラというのは、片手落ちのような感じがしてならない。

2010年3月26日金曜日

私の楽器② 2代目のチェロ

私の2代目の楽器は、一応、イタリア(クレモナ)製の手工品1972年製である。
 

お前も所詮クレモナかぶれの一人かとか、自分の分際を心得ろなどのお言葉が聞こえそうですが、私が手に入れた当時は、最近(今は少し落ち着いたようですが)のようにイタリアの楽器を過度に持ち上げるような雰囲気はなく、価格も、イタリアの楽器と、独、仏、英などの楽器に特に差はなかった。またこの製作者も、今のように、商業ベースに乗ってしまったような作り方もしていなかった時の作品である。

良い楽器をと、とっかえひっかえ弾いていたら、ダラ.コスタという人の楽器とこれが残り、値段も同じようなものだったが、4弦のバランスが良かったことや音色も気にいったので、購入した次第である。購入価格も今の価格からは考えられない常識的な価格でした。



年代から考えると、製作者43歳の作品である。ネットで彼のcelloは70年代前半のものを中心に三台ぐらい見たことがある。80~90年代のものはほとんど見たことがなく、2000年以降のものは楽器店のホームページや店頭で販売しているのを数多く見る。

いずれも70年代前半のものは、形と言い色合いといい私のものとそっくりで、このころ同じ手法で何台か作っていたことがわかる。工房を立ち上げ、本格的に製作を始めた頃で、弟子はいたかもしれないが、日が浅く、子ども達もまだ一人前とは言えない(長男は十代後半?)時期である。(まだ)真面目に製作していた頃の作品と考えています。
 

楽器店の彼の作品の紹介文は、それこそ美辞麗句で溢れていますが、基本的に「朗々と良く通る音で、かつ大きな音で鳴る」という楽器ではありません。さほど音量は出ない楽器です。1代目のシレーナのほうがボワンボワンと大音量で響きます。
 

一方、音色はとても上品で聞きやすい音がします。
ただ「秋空のような澄み切った音」ではなく、やや甘めの柔らかい音です。

製作は丁寧で、購入したところの店主さんはパーフリングや渦巻きなどの加工をみて「うまいなあ」ともらしていました。口上手な人ではないので、本当なんだろうと思います。

私は、この楽器で満足していますし、購入時の値段は、性能と釣り合っていたと思います。しかし、今の目が飛び出るような価格に見合う価値があるかというと、それはないと思います。特に最近の彼の作品は、ニスものっぺりとした感じのものもあり、丁寧さが感じられません。今の楽器が当時出てきても、選ばなかったと思いますし、また現在の彼の楽器を購入できるような経済的余裕があるなら、当然、別の人の楽器を選んだと思います。


最近は、不自然な持ち上げられ方をした反動か、彼の作品は売れ残っているようです。また中には評価もよく言わない人もでてきています。しかし、楽器店が書くような内容はオーバーだと思いますが、70年代の楽器は丁寧に作製されており、また彼ならではの音色のする(←これを創造し確立するのは大変ですが、大切な要素ですね)良い楽器だと思います。

新作楽器の評価が落ち着くのは、100年くらいの年月は必要に思いますが、21世紀後半におけるこの楽器の評価は「それなりにしゃれた音のする中堅の楽器」というものでないでしょうか。








2010年3月23日火曜日

湿度が気になる

 連休中、日曜日は雨風のひどい日でしたが、少しばかり練習。月曜日は家族の者は、大阪へ、絶好の練習日和だが、何となくTVやビデオを見ながら終わってしまいました。楽器の調子は特に変わりはないが、駒が手前(ネック側ですね)に若干倒れ気味です。これは、春先になって気温が高くなっているので、アジャスターを緩めることが多いからでしょう。本当はペグでも調整しなければいけないのだが、ウィットナー製のテールピースについているアジャスターは結構、調整幅が大きいので、ついこちらに頼ってしまう。あまりひどくなれば立て直しということになるが、駒の立て直しは一作業でもあり、なによりも弦を一度緩めて張り直すと、A線を切ることも多いので、ちよっと様子見です。ちなみに私のテールピースは、表面がつるつるで光っているが、最近の物はネットで見てみるとつや消し加工がしてあって、なかなか格好がよろしい。いいなあという思いが湧いてくるが、テールピースの交換は、駒の立て直しよりもさらに大仕事になる。まあ駒の様子が我慢できない状態で、しかもA線が切れた時ぐらいでないと、なかなかできませんね。
最近、湿度計の付いた時計が安かったので買いました。いつも楽器の置いてある場所の湿度を測ると70%の後半である。私の部屋は北向きなのだが、南の居間を測ると50%程度なので、明らかに高い。それでも昨日は晴天だったので、窓を開けておいたら40%台まで下がっていた。ところが、夕方になって窓を閉めると70%ぐらいまで上がってしまう。この湿気は一体どこからやってくるのだろう。ちょっと不思議な感じです。

2010年3月21日日曜日

練習に行ってきました

 私の所属する楽団は、以前は、練習日が木曜日というアマオケにしては珍しい曜日でした。どうも設立当時のメンバーにお医者さんが多かったというのが理由だそうですが、何年か前から隔週で土曜日と木曜日が練習日になりました。
  ということで、昨日、練習に行きました。曲目はブラームスの3番ですが、行ってみるとチェロパートはトップのY君が一人だけ。こういう場合は、横に並んで弾くのが普通ですが、練習も十分ではないので、彼の後で弾かせてもらうことにしました。後でOさんがきましたが、さらに私の後に座られたので、チェロは3人が縦に並ぶという細長い体型になってしまいました。