2015年7月18日土曜日

チェロの○○メソッドについて

交響楽団を休団していた間、一時、個人レッスンを受けた時があった。先生は大変優しい人で、また丁寧に教えていただき、ありがたかった。二ヶ月ほどお習いして、挫折してしまったのは、私の方の身体・精神状態が良くなかったことが理由である。

そこは○○メソッドの教室だったのだが、気がついたことについて少し書いておきたい。

最初に思ったのは、先生が模範演奏をあまりしないなあということだった。基本はCDで、まずそれを聞いてあわせなさいということなのだが、目の前で聞くのとCDでは全く違う。以前、田中先生から習った時には、先生の演奏を聴いて「なんていい音がするんだ」「どう弾いたら、あんな音がでるのだろう」といつも感じさせられた。それが、練習へのよい刺激にもなっていた。ところが○○では、まず生徒が弾く、それを聞いて、おかしなところだけ指摘がある。必要なら先生もあわせて弾いてくれるが・・。そしてもう一度弾く、まあまあできていれば、いいですねということで次の曲に進む。


 曲の完成よりも、進むことの方がやや優先されているのであるが、これは、幼い子どもには有効だと思う。同じ曲を何週間もやっていると子どもは飽きてしまうものである。それよりも先に進ませたほうが、技量もついてくるものである。

CD中心の進め方も、最初は違和感もあったのだが、考え方はわかる。
幼い子どもは楽譜を読めないので、CDを繰り返し聞かせることによって、まず耳で覚えさせてしまうということだと思う。
また音楽は技術の育成と共に音楽的感性を育てると言うことが欠かせない。こういう感性は、普通はついている先生の演奏を見たり教えをうけることで育っていくが、この場合、先生の感性以上には育たないということもある。そのため、最初から一流の優れた演奏をCDで聴かせて、感性も育てようとしているのだと思う。

幼児に対しては優れた教育方法だと思う。


ただ、私自身は、お習いするときに、一つ一つの曲を深く掘り下げて美しく弾きたいという感じを強く持っていた。どんな初心者用の練習曲でもそういう追求は可能である。そういう気持ちで個人レッスンに臨んだので、実はそこらへんの思いの違いというものもあった。先生にそういうふうに言えば、そのような教え方をしていただけたようなので、言わなかった私が悪いのである。
ここは、幼児教育が中心ではあるが、最近は中高年も受け入れている。中高年でここでお習いするときには、最初に何をしたいのかということを、先生とお話をしておくとよいと思う。そこらへんは柔軟に対応していただけるようである。
今から思えば、バッ ハの無伴奏を最初からお願いすればよかったかなあ。先生には、何か自然消滅という形で止めてしまったので、申し訳なかったと思っている。

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