2010年3月29日月曜日

チェロと指使い ボーイングは統一、左手はバラバラ?

  最初に曲に取り組む時は、まず例のように楽譜を製本し、指使いの解析を行うことになる。これが結構、時間がかかる。特にブラームスは、特有の♯や♭が臨時に付くフレーズが多く、音が取りにくい。まあ、最初、頭の中で指使いを決めて書くのだが、その後、実際弾いていきながら修正していくことになる。 結局、無理な指使いは淘汰され、自分の技量にあった指使いが残ることとなる。
   少し不思議に思っていることに、ボーイングは統一されているのに、指使いは統一されていないということである。これはアマオケだけではないようで、同じフレーズを、バラバラの指使いで弾いていることはプロでも見る風景である。指使いが違うとフレーズのニュアンスも変わるので、これでいいのかなあと思う。
   アマの場合は、技量の違いもあり、安全運転で音程の取りやすいように弾く人と、フレーズの表現を大切にして弾く人がいても不思議ではないし、仕方が無いとも思うが、プロはどうなのだろう。ボーイングは統一して、指使いはバラバラというのは、片手落ちのような感じがしてならない。


  指使いで、どの人も守ろうとする原則は次の三つぐらいであろうか。
    第1は開放弦はなるべく使わないこと。特にA、D線の開放弦は避けることが多く、音を長く伸ばす時には、Gの開放弦も避けることが多い。ただし速いパッセージのところはやむを得ず使用する時はあるが、それでもA線の開放弦を使う場合は気をつかう。また物理的にC線の開放音を使わないといけない時は、G線のCを押さえヴィブラートをかけるとよいと聞いたことがある。(実際の演奏会でやったことはないが)
    第2はスラーがかかっているところは、なるべく移弦を避けようとすること。ただ私にとってはこれは原則と言うより努力事項に属することである。あまり無理して、音程が不安定になる時には、移弦してしまいましょう。
    第3は柔らかいニュアンスが欲しい時には、低い方の弦のハイポジションを使うこと。A線のB音は、D線4ポジションでも取れるが、結構D線で弾く機会は多い。反対にはっきりしたニュアンスの欲しい時には、A線を積極的に使う。特にA線とCGD線の響きは違いがあり、A線とD線の使い分けは少し気を遣うところではある。。 

    一応、これくらいはみんなの頭にあると思うのだが、実際は、物理的にこれしか指使いがないという場合以外は、同じフレーズをある人は1ポジで、ある人は4ポジで、ある人はなにやら不思議な指使いで(=私)、弾くことを見ることになる。

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