2016年11月25日金曜日

ホロコーストに対する疑問  ホロコーストを否定する人たち

暗い話ではあるので、そういう話が嫌いな人は、読まないで下さい。

シンドラーのリストという映画を見て、あらためてホロコーストについてネットで検索していたら、何とホロコーストは嘘であるという説があるんですね。

以前、マルコポーロという雑誌に、ホロコーストはなかったという趣旨での記事をのせたところ、抗議が殺到し、編集長が辞めさせられたという事件があった。
当時は、馬鹿なことを書く人がいるもんだと思っていた。「夜と霧」を読んだのは中学生の時だったが、世の中には酷いことがあるものだと、ホロコーストについて疑ったことなど全くなかった。


代表的な説は、 あれはホロコースト(ユダヤ人に対する計画的な民族抹殺)ではなく、本来は隔離政策だったというものである。

もちろん強制隔離、財産没収、収容所での非人間的扱い、人体実験、射殺などの処刑、ペストなど伝染病の蔓延、栄養失調等により多数のユダヤ人が死亡し、また餓死寸前まで追い詰められてたことは事実であるが(これらの事実自体が既に酷いものだが)、民族抹殺を意図した虐殺計画(だけ)は存在しなかったという人がいるのである。
それに付随して、有名なガス室に対しての疑念や、死亡者数についても600万は誤りで100万人~数十万人説もある。
さらにアンネの日記自体、アンネは日記を書いていない、後日大人によって作られた物であるという指摘さえある。

これについては、私のような知識も研究もしていないものが踏み込んではいけない世界だと思います。ただ、ゴルフという機械を通じてだが、ドイツ人の気質は感じることがあるので、以前から抱いていた素朴な疑問を何点か書いてみた。詳しい方がおられたら教えていただきたい。


一般的にガス室のイメージは次のようなものであろう。

「ユダヤ人は、シャワーを浴びるからということで、服を脱ぎ、窓一つ無い狭い部屋におしこまれた。ところが出てきたのは水ではなくガスであった。悲鳴、怒声、泣き声もすぐになくなり、しばらくしてからドアをあけると、死体が重なり合っていた。なかには、死にきれずうめき声をあげている人もいたが、看守はかまわず、鈎でひっかけ次々と火葬場へ放り込んでいった」

疑問① 毒ガスをどう排気したのか
   チクロンBは、シアン化水素を発生するらしい。いわゆる青酸ガスで猛毒である。排気のための換気扇があったとも、なかったとも言われている(なかったということ自体、信じられない話だが)が、毒ガスの管理はかなりやっかいというのは、日本人はサリン事件で経験している。
換気扇があったとしても、外に出せばいいという物ではないだろう。きちんと排気し導入路を作り、化学的に処理するか、空気より軽いらしいので高い煙突を立て、そこから排出するとかしないと、危なくて日常的に使える物ではない。また煙突程度では風向き次第で被害がでる可能性があるだろう。ところが、アウシュビッツの建物図をみても、焼却炉の煙突はあるが、毒ガス用の処理施設や煙突等さえ見あたらない。そしてガス室の近くに収容施設や看守の官舎がおかれている。
毒ガスは天井の穴から放り込んだといわれるが、その蓋は、鉄の蓋のような物をかぶせてあるだけである。著しく密閉性に欠ける作りである。


疑問② 死体の処理係に毒ガスの影響はなかったのか
   死体は折り重なっていたと多くの資料に書いてある。そしてその死体を処理する看守は、別にガスマスクも無しでガス室に入っているようだが(タバコをくわえて入っていったという証言があるらしい)、死体を起こすだけで、残っていた毒ガスが立ちのぼってくるのではないか。看守に何の影響もなかったようだが、そこはどうなのか。


疑問③ 火葬をしたというが、死体は簡単に灰にはならないこと。
  日本人なら、火葬場に行ったことのない人は、まれであろう。火を付けた瞬間の音にびっくりした人もいると思う。あの凄まじい火力で燃やしても灰になるまで1時間はかかるようである。収容所では24時間稼働で燃やしたというが、それで何体の死体を燃やせるのか、そんな連日使って窯はもつものなのか、だいたいドイツはそんなに豊富に重油を持っていたのか、そういうことに石油をつかうのなら、大きな穴でも掘って埋めた方が効率的(いやな言葉だが)なのではないか。
外に死体を並べガソリンをかけて燃やしたという記述もあるが、そんなもので死体は焼けるものではない。何度もかけ直して、よほど大量に使用しても、死体は黒焦げになるだけであろう。
山のように重なった死体を燃やすドイツ兵という写真があるようだが、死体を重ねて燃やして、最後は全部灰になると本気で思っているのだろうか。

など、次々と疑問は尽きない。

ドイツ人が本気で計画的な大量虐殺、民族抹殺を考えたなら、もっと機能的で緻密なガス室を作るはずである。ドイツ人にしては、ガス室の構造がお粗末すぎるのである。ガス室から死体処理までの過程にドイツ人の気質が感じられない。
彼らが本当に民族抹消を考えたのなら、もっと効率的な「工場」を作る可能性が高い。機械的な物については、ずさんなことはしない国民性である。

こう書いてくると、どうも毒ガスとか火葬とかの実態を知らない人が(欧米は土葬が主流である)、想像で作った話という感じもしてくるのである。また本当にただの強制隔離政策でしかなかったのであれば、当時の連合国側が、ユダヤ人に冷淡であった態度も納得できるということになる。

戦後、連合国側は自分たちに「正義の旗」を立てるために、歴史を操作したことや、連合国側の犯罪的行為は不問にされたことも事実である。そのため、連合国の「歴史的事実」というものには注意が必要である。

それでも、広島・長崎で原子爆弾が投下され、多くの女性や老人、子どもなど非戦闘員を含む約三十万人の命が亡くなったことに対して、「そんな事実はない」と言う人は、だれもいない。これはまぎれもなく事実であり真実であるからである。しかし、ユダヤ人虐殺(ついでにいうと南京事件なども)など、異論が出ることには、検証を進めることが必要とは思う。

しかし、ホロコースト肯定派の人たちに共通する態度に、否定派に対して「話にならない」「愚かな人たち」「勉強をしなさい」というものが多いことが気になる。肯定派の人たちも、情報はせいぜい映画や「夜と霧」などの書籍、雑誌や写真等から得ているだけで、それほど深く検証したとはとうてい思えないのだが・・・。
また「人数が問題ではない、数十人でも虐殺は虐殺だ」などという南京事件でもよくみかける論点ずらしも多い。
どんなおかしな問いに対しても、真面目に答えないのは不信感の元になる。

 「あなたの意見は意見として認める。しかしそれは事実ではない。」というのが、欧米の大切にしてきた言論の自由であろう。しかし、ホロコーストに関しては、異論を述べること自体、欧米ではタブーになっていると聞いている。大学教授が、少しでも否定ではなく疑問点を述べただけでも、法的責任が問われ、失職する可能性があるようである。

どこまで真実で、どこまでがプロパガンダなのか知りたいところであるが、議論も封殺し許さないというところに、この問題の深刻さを感じる。


しかし一方、根本的な部分で、彼らは決して触れようとしないことがある。

①ユダヤ人に対する非人道的虐待、虐殺行為は・・・・あった。
②その責任は、ヒトラー ナチスにある。

ここまでは、いずれの立場の人も認める事実である。

③それなら、ヒットラーを支持したドイツ国民に責任は・・・ある。
④そうしたユダヤ人に対する迫害行為を生み出す下地を作った責任は・・・・全欧米人にある。
 と私は思う。

この問題は、長年の欧米人とユダヤ教徒の確執の結果であり、キリスト教徒はその結果に対して責任を負わなければいけない。しかし、欧米人はドイツ人も含め、ホロコースト肯定派も否定派も、そこからは目をそむけている。
同様に、アメリカは広島・長崎でおこなった非人道的行為に対しても、いまだに対峙しようとしない。

ホロコースト肯定、否定論争も結構だが、肝心な部分の議論はしないようである。都合の悪いことは、無視する、議論をしているようで実は誤魔化そうとしている、もしくは正当化しようとするのは、欧米人の伝統である。




 

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