2015年10月16日金曜日

日本経済の現状と将来  経済音痴が考えた日本経済


2010年7月記述  
長文の上に悪文です。
自分用のまとめです。(まとめにもなっていませんが)

国債発行残高が600兆円だの800兆円を超えたとか、これは経済クライシスの危険が高まっただの、大丈夫だからどんどん発行しろだの、国債に関しては正反対の意見があり、何が本当なのかわからない。大学で長年、経済学を研究していると称している大学教授の出番だと思うが、彼らは何をしているのであろうか。役立たずであることは間違いないようである。
私は、経済学はほとんど学んだことはないが、経済学者がこの体たらくなら、学んでな
い者が意見を言っても良さそうなので、国債についての一考察を書いておこう。



とにかくよくわからないので、国を家族に置き換えて考えてみました。
まずお父さん(政府)、働いてはいるが家で同居している子ども達(国民)とする。
2010年の1月、父親は子ども達にこう言う。
※子ども達と書きましたが、子どもは一応一人とします
「家を維持するにはお金がかかる。例えば電気代やガス代、お前達の食事もお金がかかる。君たちも稼いでいて一人前なのだから、いつまでも頼っていないで、食費や光熱費ぐらいは出してもいいと思う。一ヶ月に自分の収入の一割(例えばこの時点で収入が10万円なら1万円)でいいから、お父さんに出しなさい。それを家の維持費に使うことにする」と言います。
この場合、この1万円が国で言うところの税金であり、食費や光熱費や家の修繕代が、いわゆる公共インフラや社会保障費、防衛費等のことですね。子ども達ももっともだと思って、家に毎月1万円払うことになります。これは税金にあたるので、このお金はもちろん本人達には返ってきません。
ところが次に父親はこう言います。
「お父さんは、お前達の身体をもっと健康にしたいと思う。栄養剤や筋トレのための機材を買いたいと思うので、毎月の1万円に加え、5000円を出すようにしてくれ。この5000円はすぐには返せないが、一年たったら順次返していくし、もちろん利息も500円はつけるから」と提案します。
この5000円が国債になります。栄養剤や筋トレは経済の活性化に必要な公共投資にあたります。お父さんは、一年後の1月からは、5500円、子ども達に返さなければいけなくなりますが、お父さんのもくろみでは、栄養剤や筋トレをやって子ども達が今以上に活発に働くようになれば、収入も増えるだろう。例えば今は収入が10万円だが一年後には15万円になっている可能性が高い。そうなると毎月集まるお金は、1万五千円くらいになるので、そこから必要な1万円と返金分の5500円を出しても大丈夫と考えるわけです。またその時点で五千円を集め続けていれば、お父さんのもとには、2万円がはいることになります。
子どもの立場から言うと、1万五千円を税金として、五千円を国債購入費として支出することになりますが、5500円は返ってくるので、負担は、14500円となり、1年前とそんなに変わらないことになります。

このように、国債を発行しても、その経済効果により経済規模が拡大するならば、年々国債を発行したとしても大丈夫と言えますし、国債の金額を毎年少しずつ増やしていっても大丈夫でしょう。しかし、これは経済の拡大再生産が続くという前提の上に成り立つ考え方です。もう高度経済成長時代は終わりを告げ、バブル経済崩壊後、日本経済は停滞期に入っています。(もっとも先進工業国でGDPが伸びていないのは日本だけらしいですが) この場合はどうなるのでしょう。

お父さんは、子ども達に栄養剤を飲ませ、筋トレを盛んに行いましたが、残念ながら子ども達の収入は一年後も変わりありませんでした。ですからお父さんの手元には1万円しか渡りません。そして、一年前に子ども達から集めた5000円に利息を加えた5500円を子ども達に返さなければなりません。すると残りの4500円の中から光熱費や食費、家の補修費などを出すことになるように思いますが、実際は、5000円の徴収(国債の発行)は相変わらず継続していますので、実質はお父さんには1万5千円が入り、そこから返却分の5500円を引いた9500円で光熱費や食費などを払うことになります。収入が増大しない場合は、利息分だけ家計に食い込むこととなるということになりますが、何とか生活は維持できるでしょう。ただこの場合、子どもたちの体を鍛えるための新たな栄養剤などは、購入できません。
もしそれが嫌なら国債の発行を増額することになります。例えば毎月5000円の国債をを一万円にすると、お父さんの手元には20000円-5500円の14500円が残ることになります。そして残金の中から一万円を月々の食費、光熱費などの支払いに、4500円を栄養剤の購入に回すことができます。

今までのことを少しまとめてみましょう
要するに、国債の発行は、経済規模が拡大し税収入が順調に伸びていれば問題は無いと言うことですが、問題は経済規模が拡大しない場合です。国債を発行し、税収入の増加が無かったとすると、その一年後の処置には次のようなことが考えられます。
①新たな国債を発行しないで処理する。
この場合はお父さんには1万円のお金はありますが、そこから国債返却分5500円を払うことになります。光熱費等は4500円から払うことになるので、食費や光熱費、被服費は大幅な切り詰めをすることになりますし、家の補修などは後回しになるでしょう。
②国債の支払いに見合うだけの国債を継続して発行する。
この場合は、お父さんには1万円+国債発行分5000円-国債支払い分5500円で手元には9500円が残りますので、生活水準自体はそんなに変わりません。しかし、も う新たな筋トレや栄養剤は買うことができません
③国債の支払額に倍する国債(例えば5000円ではなく1万円にする)を発行する。
この場合は、1万円+国債発行分1万円-国債支払い分5500円になるので、手元には14500円が残りますので、生活水準は維持しながら、さらに筋トレや栄養剤も買 うことも可能です。ただし、一年後には、当然国債の支払い分は利子を付けて11000 円になります。税金は1万円しか集まりませんから、この場合、支払いはできないことになりますので当然、さらに国債を発行してしのぐことになります。

実は日本経済は、バブル崩壊後、③に近い形で、国債を発行してきました。決して倍するほどの発行をしてきたわけではありませんが、②のやり方以上の国債を発行してきたわけです。政府のもくろみとしては、これだけ公共事業などに資金を投入すれば、経済は上向き、GDPも増大すると予想していたわけですが、そのもくろみは外れ、国債は膨れあがるばかりと言うことになっています。
実際の国債は一年後に返還するもののほかに、様々な期間を経て返還するものがありますから、発行残高が800兆円と言っても、ある年に800兆円を一挙に返還するというわけではありません。先に書いたようなものを全部含めて、返還しなければいけない国債が800兆円あると言うことです。

日本経済の未来
さてこの家も、何年かが経過し、子ども達がお父さんに出す金額も、月1万円の他に、例の栄養ドリンク代とか称するものの支払いが毎月8万円となってしまいました。お金は返ってはきているものの(たぶん7万+利息)、額自体がだんだん大きくなっているので不安でしかたがありません。来月の1月からは9万円になるでしょう。しかし、子ども達がもう8万円を出すのは嫌だと言ったらどうなるでしょうか。この場合、それまでの過去毎月一年間払い続けた8万×12=96万円分は返ってこないことになります。
子ども達はどうするでしょうか、こんなことはいつまで続くのでしょうか。

実はこの子ども達はあんまり心配をしていません。毎月の8万円の国債を買わなければ、当然、96万円をお父さんは返金を迫られ、お父さんは支払い不能に陥るはずですが、この家の場合、そんな心配を子ども達はしていないのです。なぜなら、このお父さんは、様々な骨董品を持っていて、それを売り払えば1000万円ぐらいになるということを、子ども達は知っているのです。いざとなればお父さんはそれらを売り払うか、その価値のある骨董品をくれるだろうと思っているのです。ですから、毎月の国債が大きな額になっても、まだ大丈夫という感じがあって、買い続けているわけですね。
実は、日本政府というものは、国家として多額の財産を保有している政府として、国際的にも有名です。国有の土地や国有林、その他の資産を多く保有しておりそれがだいたい1000兆円はあると言われています。このことが、膨大な国債の発行の信用を支えているわけです。
しかし、一方、国債の発行は限度があることは確かです。例えば先の家の例えで言うと、子ども達の買う国債額と返却分の差額が、子ども達の収入を超えることは物理的に不可能ですね。例えば国債購入額が1000万円 返金額が980万とかいう場合が、それにあたります。差額の20万円は子ども達は自分の収入を超えているので、出すことはできません。ただこれを国の経済規模で考えると、国債の発行が考えられないほど桁違いに大きくならないとそうはならないと思います。もう一つは、あまりに国債の発行が大きくなりすぎて、残高が政府保有資産の額を大きく超えてしまい、国債の購入にためらいが見え始めた時は危ないと思います。例えば、国債発行残高が2000兆を超えて、一方政府保有資産が1000兆という場合ですね。
国債の購入者がある年完全に0になったとしましょう。この場合2000兆円を政府は支払う必要がでてきます。国債の購入者は下図のような感じだそうで
銀行自体の内部資金でこれを持ちこ          日本国債の保有者 割合
たえることはできないと思います。          銀行などの民間金融機関   4割
銀行がつぶれると、預金者(国民)が         郵貯・簡保           2割
泣くことになります。日本国民全体                 郵貯・簡保を除くその他の公の機関  2割
の個人資産額は1400兆円とは言わ               日本銀行          1割5分弱
れていますが、やはり国民生活に大              一般個人、会社        5分
きな影響が出る可能性はあるでしょ
う。
しかし、このような事態になった時には、政府は全額を直ちに返そうとするより、八割の支払いとか、10年ものの国債の支払いを20年に伸ばすなど、全額保証はできないが、ある程度の支払いは保証し、国民生活がただちに混乱することを避ける方法を政府はとる可能性が高いと思います。それでも体質の弱い銀行はつぶれる可能性は強いですが、大きな混乱は避け得るのではないかと思います。ある程度の騒動とはなると思いますが、国がつぶれるとか、経済クライシスとかいうところまではつながらないと思います。
しかし、いずれにせよこれ以上の額になると日本人に大きな打撃がでるように思います。ですから国債発行残高のリミットは2000兆円あたりというのが私の考えです。

一般的に、アルゼンチンとかブラジル、最近ではギリシャの国家財政がつぶれそうとか借金が払えずにデフォルトを宣言したとか言うのは、外国に借金をしているためであり、日本の財政赤字とかいう問題とは質が違います。日本は、国債の保有者は政府、日本銀行国内の銀行や企業で、外国に国債を買ってもらっているわけではありません。(厳密には外国人の債権保有率は一割程度と言われています) むしろ日本は外国に対しては債権国、すなわち多額のお金を貸している側の国になります。ですから先の例えで言うと、アルゼンチンとかは、お父さんが、栄養剤などを買うために、サラ金でお金を借りてしまって、それが返せなくなってしまったという話で、この場合は、家や財産を借金のカタに取られるので深刻な話となります。日本の場合は、あくまで子どもに対する支払いの問題です。よしんばお父さんがお金を返せなくなっても、まあそれはそれで子ども達からは白い目で見られるだろうし、もうこんな家での同居は嫌だということで家を出てしまうかも知れないが、別に家や土地を誰かにとられたりとかいう話にはなりませんね。

国で言うと国民は政府を猛烈に批判し信頼を失った政権が倒れたり、一部の国民や銀行、企業は政府を信用しなくなり海外に拠点を移してしまうかもしれませんが、日本企業全部が日本国内から出てしまうとは考えにくいですね。そこら辺は日本という国の特殊事情があるのかもしれません。外国でこのような政府による支払い不履行がおきると、国民も企業も一斉に移動を開始してしまい国として崩壊してしまう可能性が出てくるので、外国の政府は国債の発行に関しては神経質な傾向があるのかもしれません。日本の場合は、島国なのでそんなことがあっても、あまり出て行くことはないだろうという思いがあるので、国債をじゃんじゃん発行してもやや鈍感なのかもしれません。家の例えで言うと、外国の家の場合は、子ども達が完全に家から出て行ってしまうが、日本の場合は、お父さんを非難しながらも、みんな我慢して家にいるという感じですね。
しかし、日本の場合は、お父さんが「もうこれ以上お金は返せない。ごめんな。」ですませてしまう可能性があると言うことで、外国人もその危険性はよくわかっているようで、国際的に見た場合、日本の国債の格付けが低いのは、このような事情によるものかもしれません。

いずれにせよ、こう考えていくと現在の日本経済がただちにクラッシュする要素はないと思います。外国の学者が日本の財政は危機的状況であるとか指摘する場合がありますが、これはギリシャと日本の借金を同じように捉え誤解しているのかもしれないと考えられますが、一方、外国の一流の経済学者がそんなことがわからないはずはないので、この場合は、すべてのことがわかっていてあえてそういうことを言っている、いわば日本経済を意図的におとしめる、何か別の意図があると考えたほうがいいですね。
しかし、今のような状況が健全かと言われれば、決して健全ではないということになります。まずは、産業を活性化し、経済規模を拡大させることが大切です。それは従来のように公共投資による活性化ではなく、企業自身が世界に先駆けて新しい独創的な製品を送り出していくことが必要だと思います。そういう技術革新と経済の活性化のなかで経済規模を拡大させながら、国債発行は徐々に絞っていくことが望ましいでしょう。財政の健全化はそういう意味では、課題ではありますが、それだけに目を向け、緊縮財政を組んだ結果、経済規模が縮小してしまうと、いよいよ国債発行残高が重くのしかかることになります。ある程度の国債発行は仕方ありませんが、予算配分を見直し、経済発展、産業活性化のため効率よく、かつ戦略的な視点から予算を振り分けていくことが重要なことと考えます。国債の問題は、今日、明日に迫ったことではありません。先に述べたように発行残高が2000兆円を超えるのは何十年も先の話でしょう。しかし実際超えてしまえば経済的な混乱がくるのも間違いがありません。まだまだ先のことだと考えずに、財政の健全化を長期的な視野に立って考えていくことが大切だと思います。


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