2020年7月6日月曜日

ゴルフ7の感想 その4 DSGの減速と停車 (減速中も微妙な感覚があります) 最後にDSG使用上の留意点など

(3) 減速と停車

減速は、回転が1200rpmまで下がるとギヤダウンします。ギヤダウンすると1600rpmぐらいまで回転が上がり、それを繰り返します。
 

2速は他のギヤと違い、そのまま800rpmまで下がったのち、前進し続け(多分半クラ状態では無いようです。そのためこの状態からすぐに加速が可能です)、ブレーキを踏み止まる直前に、クラッチが切れ1速に入り停車します。1速は減速には関与してなくて、次の発進に備えて1速に入るだけだと思われます。 
加速のモードは何種類かありますが、減速モードはこれ一つのようです。 

減速に伴うギヤチェンジは、大変滑らかです。

たた、うまく書けないのですが、ブレーキを踏んで減速すると、この車はギヤを5→4→3→2と順番に落としていこうとします。

そのため緩やかに減速しようとブレーキを踏むと、ギヤを下げるにともない車が前進したり減速したりしようとする様子があり、それはブレーキの感覚に微妙な影響を与えます。

МT車なら、4速のまま減速して、あとはクラッチを切って停車する場面でも、DSGは律儀にどんな場合でも5速から4速、3速、2速へとつなぎを繰り返します。   


そのためDSG車の減速は、何か裏でゴチャゴチャ動いている感じがあり、決して「スムーズな減速」ではないです。
私は発進のもたつきより、この減速の感覚と、止まる直前の車の挙動(なぜかカックンブレーキになりがち😊)のほうが煩わしいです。そのためすぐにニュートラルにいれ、ブレーキだけで停車することも多いです。

 

長々と書きましたが、DSGってこんな感じです。
最後に他の方も同様のことを書いておられますが、DSGを使う際の留意点を書いておきます。


①発進時にアクセルを踏み込みすぎないこと、特にDモードでもSモードでも、12001400でクラッチがつながるので、そこだけは丁寧にアクセル操作をしてやること。

先にも書きましたが「表示が2速になるまでアクセル操作はするな」という人がおられますが、これをやられると後続車はかなりイライラすると思います。それに2速に上がったように見えても、クラッチは完全につながっていないので、そこで一気に回転数を上げることは好ましくないと思われます。

ブレーキを離したら、アクセルをじわっと踏み込み回転を1400程度に上げ、そこでクラッチをつなげる余裕をやってつながる感触を得てから、アクセルを踏み込むのがよいように感じました。

 

②DSGは前進と停車を繰り返す渋滞場面は弱いこと。

しばらく乗ってみて、これでは日本のように停止と発進を頻繁に繰り返す場面では(とよく言われますが、世界では欧州の一部を除いて、こんな場面は結構多いと思いますが)、DSGは持たないかもしれないなと感じます。この車で、アクセルを踏まず疑似クリープだけで前進し停止するということは、すべて半クラッチで操作しているということです。こういう時には、特別な注意が必要と感じます。

ただ、こんな場面はМTでも得意な場面ではありません。家族を乗せて渋滞にはまり、発進・停車を続けてたら、クラッチの焼けるにおいがし始めたという方はおられるでしょう。しかしそれでクラッチ自体が壊れるということは無かったように思います。

ひょっとしたらDSGのクラッチ自体、普通のクラッチより小さく、熱を持ちやすく変形しやすいのかもしれません。

 

③普通に運転していると、このエンジンは2000回転以下しか使いません。 

トルクが低回転から出るエンジンで、2000回転までで大抵のことを処理してしまいます。

最初「2000回転までで、ごちゃごちゃと動いてる車だな。3000とか4000回転は、いつ使うんだよ」と思っていました。実は3000とか4000回転なんぞ普通におとなしく運転していると、全然使わない車なんですね。高速でさえ100kmは2000回転以下で巡航します。


もっと書くと、高回転を使おうと思って、パドルシフトでギャをわざと落としても、しばらくするとDモードに戻ってしまいます。高回転を使いたい時は、急加速して上げるぐらいしか手段がないですし、高回転を維持したい時はSモードにするか、マニュアルモードにするしかないでしょう。

なんとも気難しい(ではなくて、無茶で愚かな乗り手に賢い運転を教えてくれる)車であります。


しかし、こういう低回転だけでエンジンを使うのは、あまり良くなさそうです。煤もたまりそうだし、健康な使い方とは思えません。この車の前任者は、エコモードでアイドリングストップも使って大事に乗っておられたようです。ありがたいと思っていますが、ゴルフ君も主人が変わったとたんに「いつもいつもたらたら回ってんじゃないよ。たまにはお前の全力というのをみせてみろよ。2速でクラッチが繋がったら、ダッシュだろ、ダッシュ‼️🔥。燃費?環境問題?そんなもん知らん(大暴言)」という主人に代わって、少々面食らっていると思います。


でもこの直噴エンジン、はたして普通の日本の使い方で、何万キロ持つのでしょうか。燃費や環境問題は大切なことですが、それでエンジンの寿命が短くなり車を買い替えてしまうことになるのは(大抵、エンジンの故障は、その修理に大きな出費がかかることが多く、普通の人にとっては車の買い替えを意味します)、本末転倒という感じがします。


VW社も自覚があるのでしょう、純正の高いガソリン(オイル)添加剤を売っています。そして「このような機構のエンジンを守るためにも、わが社が特別に調合した、高級な専用エンジンオイルを使用する必要があるのであ~る」などと神様からのご神託のような文章を乗せているディラーもあります。

一般庶民が使う車です。そんな高級、高級と言わないで、もう少し使いやすく故障しないように作ってくださいよ。

 

④停車時ブレーキはしっかり踏みましょう。 

甘い踏み方だと、止まっていても常に半クラの状態を続けることになります。(恐ろしい😅)

よくあるのは、同乗者にショックを与えないように、ブレーキをやんわりと踏みながら丁寧な止まり方をした場合で、その時に回転計を見ると1000回転回っていることがあります。あわてて、ブレーキを踏み増すこととなります。

 

最後にまとめのようなもの 

もう一度書くと、DSGは「クラッチ付き自動変速装置を実用化に足るものとしている」もので、かつ「乗り手にやや神経を使わせる、あまり乗り手に自由度を与えない変速機」です。

※マニュアルモードについてはここでは書きませんが、高級なスポーツカーならいざ知らずゴルフ級の車では、まず使う機会のない代物ではないでしょうか。また7速というギヤ数は人間が自分でコントロールできる数を超えていると思います。人間がコントロールしやすいのは6速までじゃないでしょうか。


そしてこのDSGには、限りなくAT風の味付けがされています。もう少しDSG独自の特性を生かしても良い感じはしますし、本来ドイツ人はもっと違った味付けをしたかったのだと思いますが、VWも世間の要求を受け入れた感が強いです。

ただ、ここまでAT車に似せるのなら、最初からATを載せればよかったんじゃね、という気もします。


私はこの「いかにも頭の固いドイツ人が作った、機械的に凝った、扱いの自由度の低い、かつ乗り手に気を使わせる変速機」を愛でてやろうとは思っていますが、使用時の問題点や耐久性の脆弱さをこれだけ指摘される変速機を平気で世に出してしまうVW社の姿勢は問題だと思います。
そして訴訟天国の米国では、ゴルフはATを全車搭載して販売していると聞けば、VW社の企業体質そのものに瑕疵を感じざるを得ません。やり方がせこく、不誠実ですよね。

たぶん世界的に見れば内燃機関の寿命は、まだまだ続くと思いますが、一部のスポーツカーを除いて大衆車に搭載されるDSGは、その前に無くなっていく運命ではないかと予想します。細部に凝るが、大局を見誤る(しかも見かけより狡すっからい)というのは、昔からのドイツ人の特性なのかもしれません。


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