2016年4月30日土曜日

オリンピックを「楽しみたいです」と言う選手たち

オリンピックに出場する日本人選手が「楽しんできたいです」と言うようになったのは、いつ頃からだったろう。たぶんもう20年はたつのではないだろうか。

それまでは、「頑張ってきます」「全力を出し切ります」「金メダルを目ざします」とかいうのが普通だったので、「楽しんできます」という言い方は新鮮に聞こえたが、若干の違和感があったのも事実である。今でも、違和感は感じる人はいるようで、「オリンピック代表は、国民の税金を使いその代表として出場するのだから、おまえらの楽しみのために行ってもらうわけではない」云々はよく聞く意見でもある。


私の記憶では、これを言い始めたのは日本人ではない。オリンピックに出場した欧米系(特にアメリカ)の選手が、インタビューに答え「十分、楽しめた」とか「楽しんできたいと思う」とか言ったのが最初である。それを聞いて日本選手も少しずつ真似して使い始めたというのが始まりだったと思う。

確か千葉すず選手だったと思うが、思うような成績を残せず号泣している千葉選手に、インタビュアーが「楽しめましたか」と聞いたのには驚いた。また千葉選手も半泣きになりながら「楽しめました」と答えたのにも驚いたが・・・。

ところで、「楽しむ」という言葉は、インタビューの日本語字幕で出てくる言葉である。訳せば「楽しむ」ということになるのだろうが、原語はなんなんだろう。調べてみたのだがわからない。
日本人選手が「楽しむ」と言い。それに対してけしからんという議論を始める前に、外国人にとって、どういうニュアンスの言葉なのかをはっきりさせるほうが大切のように思う。

日本人が「楽しむ」という言葉を使う理由は、過度のプレッシャーから逃れて、萎縮せずに自分の力を出していきたいという思いから使っているように感じる。

たぶん外国人も同じ心境はあると思うが、
例えば、
「リラックスして競技に臨みたい」
「強敵と戦い、意義深い戦いをしたい」
「自分の力を十分出し切り、競技のおもしろさ自体を堪能したい」等
という思いも、全部「楽しむ」という言葉で言い表される。

たぶん、日本人が使う「楽しむ」という言葉とは微妙に違うニュアンスが原語にはあるように思うのだが、もし英語に堪能な方がおられたら、ご教授願えたら幸いである。




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